多くの企業は2022年の4月から新年度(2022年度)のスタートを切ることになろうかと思いますが、企業法務の世界においても2022年度に向けていくつかの法令改正が走ったり、ビジネス界の新たなトレンドに沿った新たな脅威・リスクに対する取り組み施策を事業計画の中に落とし込んだりと頭の中が忙しい時期かと思われます。
そんな中、数日前の日経新聞の中で「弁護士が注目する今年の法務トピック」が掲載されており、目を通してみると概ね企業法務に携わる私自身が感じているものと大きくズレがないことを確認することができたところです。
私が特に対応を強く意識しているテーマと重なったものは次の2つです。
重点テーマ・1
「改正個人情報保護法
2022年4月1日施行の同法改正は、今一度、社内の情報セキュリティルール等の見直し・点検とリンクさせながら不十分な点について追加施策を手当てするなど取り組みテーマとしては最優先事項となりそうです。
特に、企業ホームページで公表しているプライバシーポリシーをはじめとする利用目的等をあらかじめ公表しているウェブページの記載内容の点検・見直しが急務であろうと考えられるところです。
重点テーマ・2
公益通報者保護法改正
実は、某法務関連セミナーに参加していたところ、質問者の中に「私の企業はBtoB企業であることから影響を受ける法令改正ではないと思っていたのですが、昨年(2021年)の12月半ばに改正法の概要を確認している中で、いやいやBtoB企業であっても、当該法令がしっかりと関わりあるものと認識し、急ぎ、社内体制やルールの整備に着手し、あわててこのセミナーに参加したのです。」といった参加者もいらしたような状況ですから、もしかすると未だに他人事と誤解されておられる企業法務ご担当者もおられるのかもしれません。
私も早めに情報を収集し改正内容に対応すべく検討していたのですが他の業務に忙殺され、足踏みが続いているような状況です。
公益通報者保護法改正の中で、特に留意が必要に感じているのは内部通報に関与するいわゆる従事者に該当し得るものをどう選定し教育するか、また改正に伴い退職者への内部通報制度についての周知・教育をどう行っていくのかという点であろうと考え、これから頭を悩ませていくことになりそうです。
その他にも、情報をウォッチしながら気を付けていかなければならないと考えているテーマとして、海外における個人情報を含むデータ関連のルール整備・見直しの動向です。ご自身の企業が海外ブランチがあれば、そことの関係や顧客企業が日本国内企業であったとしても、その顧客企業が海外展開しており、海外にブランチを設けていたりすれば、より慎重に情報を収集し、対応の不備がないか気を付けなければならないところです。
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