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公益通報者保護法を条文から学ぶ

2022年2月6日

Contents

はじめに.

公益通報者保護法の各条文と消費者庁が公表しているハンドブック等の情報を照らし合わせながら令和4年施行の本法改正内容の理解を図るべく情報を整理しています。
なお、条文を読み解くまでもなく、読めば理解できると判断した条項については、特に解説等の記述を入れることはせず、条文のみとさせていただきますことをご承知くださいますようお願いします。

公益通報者保護法(令和2年改正 令和4年6月1日施行)

第1章 総則

第1条(目的)

この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効及び不利益な取扱いの禁止等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置等を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。

公益通報者保護法の制定趣旨・目的を明らかにした条文で、以下の2つの目的が明らかにされています。

  • 公益通報をした者が解雇や減給などの不利益な扱いを受けることがないよう保護すること
  • 企業の不正行為を内部通報により是正させることにより国民の生活に安定と利益をもたらし、社会経済の健全な発展につなげること

リコール隠し、品質偽装、食品偽装、産地偽装といった企業の不正行為や不祥事を公の明るみにする有益な情報源となる内部通報は消費者などの国民生活に安全・安心をもたらしてくれるとても有益なものです。

しかしながら、不正行為や不祥事を通報された側は通報した者に対して解雇や降格、減給あからさまな部署異動などの不利益な取り扱いをしがちです。

そう、まるで「裏切者!」とでもいわんばかりにあからさまな対応をとるところもあるようです。

これでは、内部通報しようとする者は保身のために、不正行為をしかるべきところに声を上げることができなくなり、国民生活において必要不可欠な安心、安全が毀損され、国民全体も不利益を被ることにつながってしまいます。

そのため、内部通報者が不利益な取り扱いを受けることがないように保護することが最大の目的となっているのだといえます。

第2条(定義)

2条1項

この法律において「公益通報」とは、次の各号に掲げる者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、当該各号に定める事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)(以下「役務提供先」という。)又は当該役務提供先の事業に従事する場合におけるその役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法令(法律及び法律に基づく命令をいう。以下同じ。)の規定に基づき法人の経営に従事している者(会計監査人を除く。)をいう。以下同じ。)、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者(以下「役務提供先等」という。)、当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第二号及び第六条第二号において「行政機関等」という。)又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第三号及び第六条第三号において同じ。)に通報することをいう。

◆「公益通報」とは何か

「公益通報」とは、「労働者(2条1項1号から2条1項4号に記載される者)」が特定の法律に違反する犯罪行為または最終的に刑罰につながる行為を次の3つのいずれかに通報することを「公益通報」といいます。

◆3つの通報先とは何でしょう

1つめの通報先として、「役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者(以下「役務提供先等」という。)」と定められています。つまり内部通報されようとしている事業者が事業者内部に公益通報に対応する相談窓口や担当者をあらかじめ定め配置しなければならないこととされているので、そこが1つめの通報先候補となります。(労務提供先への提供)

2つめの通報先として、「当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第二号及び第六条第二号において「行政機関等」という。)」と定められています。一言でいえば行政機関が2つめの通報先候補となります。(行政機関への通報)

とはいえ、行政機関といわれても数ある行政機関のうち、どこに通報するのかもう少し明確にしていただかないとそもそも内部通報する者が判断できず逆に通報の障壁となりかねません。

ではどこなのかと個別具体的には残念ながら示されてはおらず、考え方として通報された事実について、勧告、命令できる行政機関が通報先とガイドされています。

とりあえず救済策として、通報した行政機関が担当するところでなかった場合、通報を受けた行政機関は適切な通報先を通報してきた人に紹介することになっているようですから直接つながることができずとも本来通報すべき行政機関へはたどりつくことはできそうです。

3つめの通報先として、「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第三号及び第六条第三号において同じ。)」と定められています。
つまり、先の2つの通報先以外の通報先で、一般的には報道機関や消費者団体、労働組合などが想定されており、そこへの通報が被害の発生を抑止したり被害拡大を予防・回避するうえで必要と認められるところとなります。(その他の通報)

これら3つの通報先に対して、通報する優先順はなく、通報者自身の都合や考えで選択することが認められています

2条1項1号

労働者(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者をいう。以下同じ。)又は労働者であった者 当該労働者又は労働者であった者を自ら使用し、又は当該通報の日前一年以内に自ら使用していた事業者(次号に定める事業者を除く。)

通報者労働者または労働者であった者

(正社員、公務員、アルバイト、パートタイマーなど)

事業者上記の者を自ら使用している事業者、通報の日前1年以内に自ら使用していた

事業者、つまり、雇用元(勤務先)の事業者ということです。

上記のとおりそれぞれの要件を明らかにしています。

2条1項2号

派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。第四条において「労働者派遣法」という。)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)又は派遣労働者であった者 当該派遣労働者又は派遣労働者であった者に係る労働者派遣(同条第一号に規定する労働者派遣をいう。第四条及び第五条第二項において同じ。)の役務の提供を受け、又は当該通報の日前一年以内に受けていた事業者

通報者派遣労働者または派遣労働者であった者
事業者上記の者から役務の提供を受けている事業所、通報の日前1年以内に役務の提供を

受けていた事業者、つまり、派遣先の事業者ということです。

上記のとおりそれぞれの要件を明らかにしています。

2条1項3号

前二号に定める事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づいて事業を行い、又は行っていた場合において、当該事業に従事し、又は当該通報の日前一年以内に従事していた労働者若しくは労働者であった者又は派遣労働者若しくは派遣労働者であった者 当該他の事業者

通報者取引先の社員・派遣労働者・アルバイトなど
事業者2条1項1号、同2号の事業者と請負契約等の契約に基づき事業関係をもった事業者、

つまり取引先の事業者ということです。

上記のとおりそれぞれの要件を明らかにしています。

2条1項4号

役員 次に掲げる事業者

イ 当該役員に職務を行わせる事業者
ロ イに掲げる事業者が他の事業者との請負契約その他の契約に基づいて事業を行う場合において、当該役員が当該事業に従事するときにおける当該他の事業者

通報者役員
事業者イ.上記役員に職務を行わせる事業者

ロ.イの事業者が他の事業者と請負契約等の契約に基づき事業を行う場合であって、

当該事業に上記役員が従事した場合の他の事業者、つまり取引先の事業者ということです。

上記のとおりそれぞれの要件を明らかにしています。

2条2項

この法律において「公益通報者」とは、公益通報をした者をいう。

2条3項

この法律において「通報対象事実」とは、次の各号のいずれかの事実をいう。

一 この法律及び個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。以下この項において同じ。)に規定する罪の犯罪行為の事実又はこの法律及び同表に掲げる法律に規定する過料の理由とされている事実

二 別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが前号に掲げる事実となる場合における当該処分の理由とされている事実(当該処分の理由とされている事実が同表に掲げる法律の規定に基づく他の処分に違反し、又は勧告等に従わない事実である場合における当該他の処分又は勧告等の理由とされている事実を含む。)

本項では「通報対象事実」について明文化しています。

「公益通報ハンドブック」によると、

「通報対象事実」とは対象となる法律(&これに基づく命令)に違反する犯罪行為または最終的に刑罰につながる行為のことをいいます。そして、ここでいう「対象となる法律」には何があるのかを一例をあげてみると次のようなものとなります。

【「対象となる法律」の例】

分野法律の例
個人の生命・身体の保護刑法 / 食品衛生法 / 道路運送車両法 / 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 / 家畜伝染病予防法 / 建築基準法 / 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
消費者の利益の擁護金融商品取引法 / 日本農林規格等に関する法律 / 食品表示法 / 特定商取引に関する法律 / 割賦販売法 / 電気事業法 / 不当景品類及び不当表示防止法
環境の保全大気汚染防止法 / 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 / 水質汚濁防止法 / 土壌汚染対策法 / 悪臭防止法
公正な競争の確保私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 / 不正競争防止法 / 下請代金支払遅延等防止法
その他個人情報の保護に関する法律 / 労働基準法 / 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 / 著作権法 / 不正アクセス行為の禁止等に関する法律

(公益通報ハンドブック P.7 より)

次に「犯罪行為または最終的に刑罰につながる行為」とはどういうことをいうのか消費者庁公表の資料を通して確認しておきます。

【「犯罪行為」の例】 メモ:下記行為には刑罰が科されます。

他人の物を盗んだり、横領すること「刑法」違反
有害な物質が含まれる食品を販売すること「食品衛生法」違反
自動車のリコールに関連する情報を隠蔽すること「道路運送車両法」違反
無許可で産業廃棄物の処分をすること「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」違反
企業間で価格カルテルを結ぶこと「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」違反

【「最終的に刑罰につながる行為」の例】 ※青文字部分が公益通報の対象となる行為

「食品表示法」の義務規定違反の例

  • 食品表示基準  流れ
  • 表示基準違反  ⇩
  • 指示      ⇩
  • 指示違反    ⇩
  • 命令      ⇩
  • 命令違反    ⇩
  • 刑罰    Σ( ̄□ ̄|||) 

上記のように表示基準違反、指示違反に対して、直接刑罰が科されることはありませんが、違反を続けると、最終的に刑罰が科されます。

(公益通報ハンドブック P.8 より)

2条4項

この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。

一 内閣府、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関、デジタル庁、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員

二 地方公共団体の機関(議会を除く。)

 

第2章 公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効及び不利益な取扱いの禁止等

 

第3条(解雇の無効)

労働者である公益通報者が次の各号に掲げる場合においてそれぞれ当該各号に定める公益通報をしたことを理由として前条第一項第一号に定める事業者(当該労働者を自ら使用するものに限る。第九条において同じ。)が行った解雇は、無効とする。

保護要件を満たす公益通報をしたことを理由として事業者(公益通報者を使用する事業者)が公益通報者に対して行った解雇は無効であることを法律条文で明らかにしています。これにより公益通報者の保護を図ろうとしています。

なお、保護要件とは本条(2条)1項の1号から3号に定められており、いずれか一つでも該当すれば保護要件を満たすことになります。

3条1項1号

通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合 当該役務提供先等に対する公益通報

事業者内部に通報する際の保護要件として、通報対象事実が生じるか、または、通報対象事実がまさに生じようとしていると思料する場合に該当することと定められています。

3条1項2号

通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合又は通報対象事実が生じ、若しくはまさに生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録を含む。次号ホにおいて同じ。)を提出する場合 当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関等に対する公益通報

イ 公益通報者の氏名又は名称及び住所又は居所
ロ 当該通報対象事実の内容
ハ 当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由
ニ 当該通報対象事実について法令に基づく措置その他適当な措置がとられるべきと思料する理由

行政機関に通報する際の保護要件として、通報対象事実が生じるか、または、通報対象事実がまさに生じようとしていると信じるに足りる相当の理由があり、かつ、下記事項を記載した書面(※)を提出することとされています。

なお、単なる憶測や伝聞等ではなく、通報内容が真実であることを裏付ける証拠や関係者による信用性の高い供述など、同等の根拠が必要とされています。

【書面に記載すべき項目】

  • 公益通報者の氏名 or 名称
  • 公益通報者の住所 or 居所
  • 通報対象事実の内容
  • 通報対象事実が生じたこと or 通報対象事実がまさに生じようとしていると思料する理由
  • 通報対象事実について法令に基づく措置、その他適当な措置がとられるべきと思料する理由

(※)書面には、次の方式で作られる記録も含まれます。

  • 電子的方式
  • 磁気的方式
  • 上記以外の他人の知覚によっては認識することができない方式
3条1項3号

通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、次のいずれかに該当する場合 その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報
イ 前二号に定める公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
ロ 第一号に定める公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
ハ 第一号に定める公益通報をすれば、役務提供先が、当該公益通報者について知り得た事項を、当該公益通報者を特定させるものであることを知りながら、正当な理由がなくて漏らすと信ずるに足りる相当の理由がある場合
ニ 役務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合
ホ 書面により第一号に定める公益通報をした日から二十日を経過しても、当該通報対象事実について、当該役務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合又は当該役務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合
ヘ 個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人(事業を行う場合におけるものを除く。以下このヘにおいて同じ。)の財産に対する損害(回復することができない損害又は著しく多数の個人における多額の損害であって、通報対象事実を直接の原因とするものに限る。第六条第二号ロ及び第三号ロにおいて同じ。)が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合

その他の事業者外部に通報する際の保護要件として、通報対象事実が生じるか、または、通報対象事実がまさに生じようとしていると
信じるに足りる相当の理由があること、これに加えて下記5つのいずれか1つに該当することとされています。

〇事業者内部(労務提供先等)または行政機関に公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信じるに足りる相当の理由がある場合

(例:以前、同僚が内部通報したところ、それを理由として解雇された例がある場合)

〇事業者内部(労務提供先等)に公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠蔽され、偽造され、または変造されるおそれがあると信じるに足りる相当の理由がある場合
(例:事業者ぐるみで法令違反が行われている場合)

〇労務提供先から事業者内部(労務提供先等)または行政機関に公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合
(例:誰にも言わないように上司から口止めされた場合)

〇書面(紙文書以外に、電子メールなど電子媒体への表示も含まれます。)により事業者内部(労務提供先等)に公益通報をした日から20日を経過しても、当該通報対象事実について、当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がない場合または当該労務提供先等が正当な理由がなくて調査を行わない場合
(例:勤務先に書面で通報して20日を経過しても何の連絡もない場合)

〇個人の生命または身体に危害が発生し、または発生する急迫した危険があると信じるに足りる相当の理由がある場合
(例:安全規定に違反して健康被害が発生する急迫した危険のある食品が消費者に販売されている場合)

(以上、公益通報ハンドブックより)

 

第4条(労働者派遣契約の解除の無効)

第二条第一項第二号に定める事業者(当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けるものに限る。以下この条及び次条第二項において同じ。)の指揮命令の下に労働する派遣労働者である公益通報者が前条各号に定める公益通報をしたことを理由として第二条第一項第二号に定める事業者が行った労働者派遣契約(労働者派遣法第二十六条第一項に規定する労働者派遣契約をいう。)の解除は、無効とする。

派遣労働者が3条1項各号(1号~3号)のいずれかの保護要件を満たす公益通報をしたことを理由として、通報対象事実があると公益通報された派遣先が行った労働者派遣契約の解除は無効であることを法律条文で明らかにしています。これにより公益通報者の保護を図ろうとしています。

第5条(不利益取扱いの禁止)

5条1項

第三条に規定するもののほか、第二条第一項第一号に定める事業者は、その使用し、又は使用していた公益通報者が第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して、降格、減給、退職金の不支給その他不利益な取扱いをしてはならない。

3条に規定するもの、または、2条1項1号の事業者は、3条各号に定める公益通報をしたことを理由として、公益通報者に降格、減給、退職金の不支給、その他の不利益な取扱いをすることを禁止しています。

5条2項

前条に規定するもののほか、第二条第一項第二号に定める事業者は、その指揮命令の下に労働する派遣労働者である公益通報者が第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して、当該公益通報者に係る労働者派遣をする事業者に派遣労働者の交代を求めることその他不利益な取扱いをしてはならない。

派遣労働者が公益通報をしたことを理由として、派遣先が派遣元に派遣労働者の交代を求めるなどの不利益な取扱いをすることを禁止しています。

5条3項

第二条第一項第四号に定める事業者(同号イに掲げる事業者に限る。次条及び第八条第四項において同じ。)は、その職務を行わせ、又は行わせていた公益通報者が次条各号に定める公益通報をしたことを理由として、当該公益通報者に対して、報酬の減額その他不利益な取扱い(解任を除く。)をしてはならない。

2条1項4号の事業者は、役員である公益通報者が公益通報をしたことを理由に、報酬の減額その他の不利益な取扱いをすることを禁止しています。 なお、解任は不利益な取扱いに含まれないことが具体的に明示されています。

第6条(役員を解任された場合の損害賠償請求)

役員である公益通報者は、次の各号に掲げる場合においてそれぞれ当該各号に定める公益通報をしたことを理由として第二条第一項第四号に定める事業者から解任された場合には、当該事業者に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

役員である公益通報者は、6条1項1号から3号のいずれかに該当する場合、各号の定めにより公益通報したことを理由に、2条1項4号の事業者から解任されるようなことがあれば、その事業者に対して解任により生じた損害賠償を請求できることが法律条文として明らかにされています。

6条1項1号

通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する場合 当該役務提供先等に対する公益通報

事業者内部に通報する際の保護要件として、通報対象事実が生じるか、または、通報対象事実がまさに生じようとしていると思料する場合に該当することと定められています。

6条1項2号

次のいずれかに該当する場合 当該通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関等に対する公益通報

イ 調査是正措置(善良な管理者と同一の注意をもって行う、通報対象事実の調査及びその是正のために必要な措置をいう。次号イにおいて同じ。)をとることに努めたにもかかわらず、なお当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合

ロ 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人(事業を行う場合におけるものを除く。)の財産に対する損害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合

6条1項3号

次のいずれかに該当する場合 その者に対し通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に対する公益通報

イ 調査是正措置をとることに努めたにもかかわらず、なお当該通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、次のいずれかに該当する場合
(1) 前二号に定める公益通報をすれば解任、報酬の減額その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合
(2) 第一号に定める公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合
(3) 役務提供先から前二号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合

ロ 通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があり、かつ、個人の生命若しくは身体に対する危害又は個人(事業を行う場合におけるものを除く。)の財産に対する損害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合

第7条(損害倍書の制限)

第二条第一項各号に定める事業者は、第三条各号及び前条各号に定める公益通報によって損害を受けたことを理由として、当該公益通報をした公益通報者に対して、賠償を請求することができない。

2条1項各号に該当する事業者は、公益通報により損害を受けたとして公益通報者に損害賠償請求することを法律条文で禁じています

第8条(解釈規定)

8条1項

第三条から前条までの規定は、通報対象事実に係る通報をしたことを理由として第二条第一項各号に掲げる者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることを禁止する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。

通報対象事実に係る通報をしたことで解雇、その他不利益な取扱いを禁止する他の法令がある場合、その法令も適用され、排除されるものではないということが法律条文で定めています。

8条2項

第三条の規定は、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十六条の規定の適用を妨げるものではない。

3条(解雇の無効)の規定は、労働契約法第16条(解雇)の適用を妨げないことを法律条文で定めています。

〔参考〕
-労働契約法 第16条(解雇)-
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

8条3項

第五条第一項の規定は、労働契約法第十四条及び第十五条の規定の適用を妨げるものではない。

5条(不利益取扱いの禁止)1項の規定は、労働契約法14条(出向)と15条(懲戒)の適用を妨げないことを法律条文で定めています。

〔参考〕
-労働契約法 第14条(出向)-
使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に
係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

-労働契約法 第15条(懲戒)-
使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び
態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、
その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

8条4項

第六条の規定は、通報対象事実に係る通報をしたことを理由として第二条第一項第四号に定める事業者から役員を解任された者が当該事業者に対し解任によって生じた損害の賠償を請求することができる旨の他の法令の規定の適用を妨げるものではない。

6条(役員を解任された場合の損害賠償請求)の規定は、役員を解任された者が解任した事業者に対し、解任によって生じた損害を賠償請求できると定めたほかの法令の適用を妨げないことを法律条文で定めています。

第9条(一般職の国家公務員等に対する取扱い)

第三条各号に定める公益通報をしたことを理由とする一般職の国家公務員、裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)の適用を受ける裁判所職員、国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)の適用を受ける国会職員、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第二条第五項に規定する隊員及び一般職の地方公務員(以下この条において「一般職の国家公務員等」という。)に対する免職その他不利益な取扱いの禁止については、第三条から第五条までの規定にかかわらず、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号。裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)、国会職員法、自衛隊法及び地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の定めるところによる。この場合において、第二条第一項第一号に定める事業者は、第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として一般職の国家公務員等に対して免職その他不利益な取扱いがされることのないよう、これらの法律の規定を適用しなければならない。

国家公務員等も公益通報したことを理由として、免職その他の不利益な取扱いを禁じ、本法を適用するよう法律条文で定めています。

第10条(他人の正当な利益等の尊重)

第三条各号及び第六条各号に定める公益通報をする者は、他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。

 

第3章 事業者がとるべき措置等

第11条(事業者がとるべき措置)

11条1項

事業者は、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報を受け、並びに当該公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務(次条において「公益通報対応業務」という。)に従事する者(次条において「公益通報対応業務従事者」という。)を定めなければならない。

事業者は、公益通報対応業務に従事する者「公益通報対応業務従事者」を定めることが義務づけられています。

11条2項

事業者は、前項に定めるもののほか、公益通報者の保護を図るとともに、公益通報の内容の活用により国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図るため、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならない。

事業者は、公益通報者の保護と法令遵守を図るために体制の整備その他の措置をとることが義務づけられています。

11条3項

常時使用する労働者の数が三百人以下の事業者については、第一項中「定めなければ」とあるのは「定めるように努めなければ」と、前項中「とらなければ」とあるのは「とるように努めなければ」とする。

11条1項と同条2項の義務は、常時使用する労働者の数が300人を超える事業者に課されることになります。常時使用する労働者の数が300人以下の事業者については、「努めなければならない」と努力義務にとどまります。

11条4項

内閣総理大臣は、第一項及び第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。

こちらに関連して、令和3年8月20日に下記指針が公表されています。
「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」として公表されています。

11条5項

内閣総理大臣は、指針を定めようとするときは、あらかじめ、消費者委員会の意見を聴かなければならない。

消費者委員会の意見聴取のうえ、令和3年8月20日に下記指針が公表されています。
「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」として公表されています。

11条6項

内閣総理大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

こちらに関連して、令和3年8月20日に下記指針が公表されています。
「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」として公表されています。

11条7項

前二項の規定は、指針の変更について準用する。

第12条(公益通報対応業務従事者の義務)

公益通報対応業務従事者又は公益通報対応業務従事者であった者は、正当な理由がなく、その公益通報対応業務に関して知り得た事項であって公益通報者を特定させるものを漏らしてはならない。

公益通報対応業務従事者と過去に公益通報対応業務従事者だった者は、いずれも公益通報者が誰であるか特定するうえで材料となり得る情報を漏洩してはいけないと、守秘義務が課されています。

第13条(行政機関がとるべき措置)

13条1項

通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関は、公益通報者から第三条第二号及び第六条第二号に定める公益通報をされた場合には、必要な調査を行い、当該公益通報に係る通報対象事実があると認めるときは、法令に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

行政機関が公益通報者から公益通報をされた場合になすべき義務が定められています。

(なすべき義務)

  • 必要な調査を行う
  • 公益通報対象事実があると認められた場合、法令に基づく措置その他適当な措置をとる
13条2項

通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関(第二条第四項第一号に規定する職員を除く。)は、前項に規定する措置の適切な実施を図るため、第三条第二号及び第六条第二号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとらなければならない。

13条1項の措置の適切な実施を図るべく、適切に対応するために必要な体制整備その他の必要な措置をとる義務が課されています。

13条3項

第一項の公益通報が第二条第三項第一号に掲げる犯罪行為の事実を内容とする場合における当該犯罪の捜査及び公訴については、前二項の規定にかかわらず、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の定めるところによる。

公益通報が犯罪行為の事実を内容とする場合、犯罪の捜査と公訴については刑事訴訟法の定めによるとしています。

 

第14条(教示)

前条第一項の公益通報が誤って当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有しない行政機関に対してされたときは、当該行政機関は、当該公益通報者に対し、当該公益通報に係る通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関を教示しなければならない。

公益通報の通報先となる行政機関がそもそも処分や勧告等をする権限をもたない行政機関であった場合に、公益通報を受けた行政機関は、本来通報すべき行政機関がどこなのかを公益通報者に教えなければならないという義務が課されています。

第4章 雑則

第15条(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)

内閣総理大臣は、第十一条第一項及び第二項(これらの規定を同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。

第16条(公表)

内閣総理大臣は、第十一条第一項及び第二項の規定に違反している事業者に対し、前条の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。

第17条(関係行政機関への照会等)

内閣総理大臣は、この法律の規定に基づく事務に関し、関係行政機関に対し、照会し、又は協力を求めることができる。

第18条(内閣総理大臣による情報の収集、整理及び提供)

内閣総理大臣は、公益通報及び公益通報者の状況に関する情報その他その普及が公益通報者の保護及び公益通報の内容の活用による国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守に資することとなる情報の収集、整理及び提供に努めなければならない。

第19条(権限の委任)

内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を消費者庁長官に委任する。

第20条(適用除外)

第十五条及び第十六条の規定は、国及び地方公共団体に適用しない。

第5章 罰則

第21条

第十二条の規定に違反して同条に規定する事項を漏らした者は、三十万円以下の罰金に処する。

公益通報対応業務従事者の義務として課される守秘義務を果たせず情報を漏洩した者30万円以下の罰金となります。

第22条

第十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。

内閣総理大臣から報告を求められたものの報告をしない、または虚偽の報告をしてしまった者は、20万円以下の過料
なります。

 

附則(令和2年6月12日法律第51号) 抄

第1条(施行期日)

この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から施行する。

「令和4年(2022年)6月1日」に施行が決定しています。

第2条(経過措置)

この法律による改正後の公益通報者保護法(以下「新法」という。)の規定は、この法律の施行後にされる新法第二条第一項に規定する公益通報について適用し、この法律の施行前にされたこの法律による改正前の公益通報者保護法第二条第一項に規定する公益通報については、なお従前の例による。

この改正後の公益通報者保護法の各規程は、法律の施行後にされる公益通報について適用されます。改正後の公益通報者保護法が施行される前の公益通報については、改正前の公益通報者保護法の諸規定に従うことになります。

第3条

3条1項

内閣総理大臣は、この法律の施行前においても、新法第十一条第四項から第七項までの規定の例により、事業者がとるべき措置に関する指針を定めることができる。

2021年8月20日に以下のとおり指針を定め公表しています。「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」として公表されています。

3条2項

前項の規定により定められた指針は、この法律の施行の日において新法第十一条第四項の規定により定められたものとみなす。

第4条(政令への委任)

前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

第5条(検討)

政府は、この法律の施行後三年を目途として、新法の施行の状況を勘案し、新法第二条第一項に規定する公益通報をしたことを理由とする同条第二項に規定する公益通報者に対する不利益な取扱いの是正に関する措置の在り方及び裁判手続における請求の取扱いその他新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

附則(令和3年5月19日法律第36号) 抄

第1条(施行期日)

この法律は、令和三年九月一日から施行する。ただし、附則第六十条の規定は、公布の日から施行する。

第57条(処分等に関する経過措置)

57条1項

この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「旧法令」という。)の規定により従前の国の機関がした認定等の処分その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条及び次条において「新法令」という。)の相当規定により相当の国の機関がした認定等の処分その他の行為とみなす。

57条2項

この法律の施行の際現に旧法令の規定により従前の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。

57条3項

この法律の施行前に旧法令の規定により従前の国の機関に対して申請、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前に従前の国の機関に対してその手続がされていないものについては、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、これを、新法令の相当規定により相当の国の機関に対してその手続がされていないものとみなして、新法令の規定を適用する。

第58条(命令の効力に関する経過措置)

旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の第七条第三項のデジタル庁令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。

第60条(政令への委任)

旧法令の規定により発せられた内閣府設置法第七条第三項の内閣府令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令は、法令に別段の定めがあるもののほか、この法律の施行後は、新法令の相当規定に基づいて発せられた相当の第七条第三項のデジタル庁令又は国家行政組織法第十二条第一項の省令としての効力を有するものとする。

別表(第2条関係)

一 刑法(明治四十年法律第四十五号)
二 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)
三 金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)
四 日本農林規格等に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)
五 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)
六 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)
七 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
八 前各号に掲げるもののほか、個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として政令で定めるもの

この「別表」の八に基づき以下のとおり政令が制定されています。

公益通報者保護法別表第8号の法律を定める政令

内閣は、公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)別表第八号の規定に基づき、この政令を制定する。
公益通報者保護法別表第八号の政令で定める法律は、次のとおりとする。
一 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)
二 削除
三 未成年者喫煙禁止法(明治三十三年法律第三十三号)
四 鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)
五 担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)
六 軌道法(大正十年法律第七十六号)
七 未成年者飲酒禁止法(大正十一年法律第二十号)



四百五十六 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(令和二年法律第三十八号)
四百五十七 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和二年法律第五十三号)
四百五十八 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和二年法律第六十号)

これ以降も対象となる法律が適宜追加され都度「通報対象となる法律一覧」として公表されています。令和4年(2022年)1月24日現在の通報対象となる法律は480本となっています。
〔参考〕「通報対象となる法律一覧(480本)/ 令和4年1月24日現在 」
最新の情報は、消費者庁のこちらのページで「通報の対象となる法律一覧表を更新しました。」と告知されますので、必要に応じてこちらのサイトをご確認されることをお勧めします。

● 消費者庁>公益通報者保護制度>「新着情報・行事案内」

 

(初版:2022.2.6)

 

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