ビジネス法務

インサイダー取引事件からのまなび

インサイダー取引とは

そもそもインサイダー取引とは何の法律から違法行為を問われることになるのかご存知でしょうか?

実は、金融商品取引法によるもので、インサイダー取引をすると金融商品取引法違反ということになってしまうのです。

より正確に確認しておきたいと思い調べてみますとインサイダー取引とは次のように説明されています。

インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするものです。そうした情報を知らされていない一般の投資者は、不利な立場で取引を行うこととなり、証券市場の信頼性が損なわれかねないため、金融商品取引法で禁止されており、違反者には証券取引等監視委員会による刑事告発や課徴金納付命令の勧告が行われます。

日本取引所グループ(JPX)ホームページより)

実際の事件(ニュース)からインサイダー取引についてのまなびを得たいと思います。

モルフォ事件からのまなび

最初に取り上げるのは、初めて従業員持ち株会がインサイダー取引の課徴金勧告対象となった事件です。

モルフォがデンソーと業務提携を公表した2か月ほど前に従業員持ち株会への拠出金を増やしたなどとして、インサイダー取引にあたるとして課徴金納付を命令されたがモルフォ側はこれを不服とし処分の取り消しを求めていた。第一審判決はこれを認め、国側が控訴していたが東京高裁も第一審を支持するとして、控訴を棄却した。

現時点での私個人の感想としては、従業員持ち株会であっても、疑義があればインサイダー取引を問われ得るということは明らかにされた事案だということで、企業法務に係わる立場にある法務担当者は社内への啓発活動および牽制対象として強化しておく必要があると受け止めた事例となりました。

「持ち株会通じたインサイダー認めず モルフォ株で地裁」 (1/21 22:37 日経電子版より)

今後、企業法務・ビジネス法務の観点からポイントを整理しこちらに記事を追加していく予定です。

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