経済産業省と中小企業庁の「下請けいじめゼロ目標」宣言
2021年(令和3年)12月27日の日本経済新聞(朝刊)の中で
声の数だけ、この国の成長は足踏みしている。
9,727件。これは、中小企業のみなさまが、「下請かけこみ寺」へご相談いただいた件数です。発注元からの理不尽な要望、取引上のトラブルは、中小企業の成長と挑戦を妨げることに、他ならない。それは、この国の経済の成長にとっても深刻な問題です。下請けいじめが、ゼロになる日まで。私たちは全力でサポートしていきます。
と経済産業省および中小企業庁の連名で【全面広告】が掲載されています。
具体的な中小事業者の声が吹き出し形式で掲載されています。いずれも下請けいじめ、コンプライアンス違反に該当する行為というわけです。
<以下に一部抜粋>
- 著作権を認めてもらえない
- 急な数量変更。納期の短縮と負担増なのにコストアップは認めてくれない。
- 金型の保管を押し付けられているが費用負担してくれない。
- 値下げ要請を一方的にされている
- 売れ残れば一方的に返品される。
- 契約書の改ざん
- などなど
これは、岸田内閣総理大臣が所信表明演説の中で、次のように明言したことが経済産業省・中小企業庁の取り組み姿勢をさらに後押しし、刺激したことの表れなのではないかと考えているところです。
下請けGメン倍増による下請け取引の適正化や、大企業と中小企業の共存共栄のためのパートナーシップ構築宣言推進により、賃上げに向けた環境を整えます。
当然ながら企業活動の大前提として、法令順守は当然のことだとして、このような環境下である以上、これまで以上にパートナーシップに則り、がっちりと親事業者と下請事業者が協力し連携していかなければ昨今のコロナ禍にある厳しい経済環境の中を乗り越えていけないのだと感じていますし、そのように考えているところです。
このような全面広告がでてきていることをみても、これまで以上に下請取引における適正な取引活動を自らの企業に周知し浸透させる役割も、私たち法務の重要な役割なのだと再認識しこれを自覚したうえで、2022年の仕事始め早々に、社内の関係各署へ注意喚起し、下請取引における業務の見直し、再点検をしっかりと呼びかけ、積極的に働きかけを進めていこうと考えているところです。
逆に、ご自身の会社が下請事業者の立場となるような場合は、以下の参考リンク先を通じて救済を求めてみることを考えてもよい時期なのかもしれません。私が知る限りは、公正取引委員会も中小企業庁も相談を求めた下請事業者が親事業者の知り得るような調査の進め方は問題解決の進め方はとらないと思います。この点は、相談前に今一度、公正取引員会や中小企業庁の窓口のご担当者に念押しされていただいたうえで進めていただけるとよいかと思います。
【参考リンク】
こちらもCHECK
リファラル採用の可能性と法的留意点を考える
Contents1 リファラル採用とは1.1 リファラル採用が注目される事情・背景1.2 リファラル採用のメリット1.3 リファラル採用のデメリット1.4 リファラル採用と縁故採用2 リファラル採用の ...
続きを見る